40代以上の方なら一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
約30年の時を経て使い捨てカメラ「写ルンです」の人気が再燃しているということ。
デジタル全盛のこの時代になぜ?
写りが「エモい」
エモいという言葉は若者の間では良く使われます。語源はエモーショナル。感情に訴えかけてくること、情緒が揺さぶられることなどを意味します。
ピカピカツルツルの完璧なデジタル画像にはない、素朴でちょっと雑な映りが受けているのです。
何が、どこがエモいのか?
写ルンですで撮った写真には独特のノイズが入ります。暗いところでは真っ黒、フラッシュをたくと白が浮き上がり人の目は真っ赤。でもそんなちょっと懐かしい雰囲気がデジタルにはない素朴さが出ると人気なのです。
光の映りがとてもいい
屋外で反射する太陽の光などは、高性能デジカメだと勝手に調節してくれるので周りの景色も良く撮れます。
でも写ルンですは見たままの映り。光のすじが大きく白く写り、周りの景色や人物はぼやけていたりします。
それがやんわりとした日差しを表現しており、特にエモいのだとか。
撮ってすぐに見られない不便さ
現像に出してみないとどんな写真に出来上がっているか分からないところが、若者のワクワク感をくすぐるのだそうです。
ただ、現像に出してもプリントはしないのが今風。CDにデータを焼いてもらったり、メールで送ってもらったりします。そしてスマホにためたコンテンツとして楽しみます。
撮ってすぐに見られないし画像の加工もできない。頭のいいカメラにはない純粋さが心に響く画像を作り上げます。
実家のアルバムにあるちょっと粗い写真
実家のアルバムにある写真は写ルンですで撮ったような写真ばかり。自分が赤ちゃんだった頃の写真を見て、懐かしいと思う方も多いでしょう。写ルンですで撮った写真には、そんな懐かしさを思い出させてくれるのだとか。
最近はスマホで撮った画像を「フィルム風」に加工できるのだそう。その加工を気に入った若者が本物のフィルムカメラで写真を取ったら加工よりもエモかった、ということなのでしょう。
美しすぎることや便利すぎることにちょっと疲れた人のための癒し。写ルンの写真はこんな癒しを与えてくれるのです。人気が再燃している理由が分かりましたか?